ご自宅での療養例

例1 自宅でずっと介護

定期的な訪問診療が入り、ご家族が安心したケース

  • 89歳 女性
  • 家族構成:娘様、息子様、娘婿様と4人暮らし。
  • キーパーソン:娘様
  • 症状状態:糖尿病、認知症、高血圧症。高齢、認知症あり。
  • 医療サービス:通所介護(月~土)、日曜(訪問診療)。福祉用具貸与。
  • 医療処置:なし

娘様「施設入所は考えず、自宅でずっと介護していきたい。」

ご本人は認知症を患い5年程前から介護生活が始まった。娘様は日中働いているため、ご本人はデイサービスに毎日通っている。特に大きな病状の問題があったわけではないが、3か月に一度大学病院に通っていた。けれども自宅での転倒を繰り返したり、発熱の頻度が上がったことから、定期的な訪問診療を受けることになりました。

状態管理を行うようになり、ご家族が安心したケースです。
在宅医療の例

例2 症状緩和のための輸血

症状緩和のための輸血をし自宅療養したケース

  • 90歳 男性
  • 家族構成:奥様との2人暮らし。奥様は円背腰痛あり。
  • キーパーソン:奥様
  • 症状状態:胃癌、アルコール性肝硬変、狭心症。高齢、心疾患あり積極的治療はしない方針。
  • 医療処置 : IVH留置(使用せずヘパ生ロックし退院)、HOT

ご本人、奥さまから「家で二人で過ごしたい」強い希望

出血性胃癌の患者さん。病院では適宜輸血されており、厳しい状態で自宅退院された。退院後数日は症状が落ち着いていたが、呼吸困難感、息切れなど貧血症状の出現あり輸血施行。その後苦痛は軽減し、症状に合わせて週1回程度の輸血を施行しながら穏やかな生活を送られていた。徐々に全身状態の低下、肝機能の低下あり、輸血が有効ではない時期にきたことを奥様に伝え、見守りながら在宅療養を継続することを決定。徐々に呼吸減弱し、妻が見守る中永眠された。妻は二人だけの時間を持てたこと、最後を看取れたことを大変満足されたケースです。

退院在宅療養への移行期

療養環境の整備介護状況確認。歩行は手引きで可能、食事は少量ずつ経口摂取。

ご本人のお声「家に帰って来られて嬉しい。酸素しないと息苦しいかな。」
奥様のお声「できるだけ私がやってあげたいので自分でがんばってみます。」

出血性胃癌療養環境

状態安定期

週1回の輸血で貧血症状の緩和あり。妻の介護負担増強ありヘルパー導入訪問入浴開始。トイレ歩行困難となりポータブルトイレ設置。

ご本人のお声「輸血すると身体があったかくなるね。楽になったよ。」
奥様のお声「やっぱりヘルパーさんをお願いしようかしら。腰が痛くって。」「毎日寝る前に愛してるよって言ってくれるの。」

出血性胃癌療養環境

状態変化期

急激な腹部膨満感の増強、嘔気の出現。肝機能低下あり、輸血は負担と考え中止となる。腹満、下肢の浮腫増強にて寝たきりとなり、嘔気のため経口摂取困難。看護師が制吐剤胃薬の注射、状態観察で連日訪問。

ご本人のお声「お腹が苦しい」「入院は嫌だ」
奥様のお声「ご飯ももう食べなくて。たまに変なこと言うの。」

出血性胃癌療養環境

看取り期

妻に見守られながらご逝去。
奥様のお声「穏やかに二人の家で過ごせてよかったです。」

出血性胃癌療養環境

例3 胃癌、脳梗塞後寝たきり

多くの医療行為があるなか、自宅で最期まで過ごすことが出来たケース

  • 90歳 男性
  • 家族構成:娘様夫婦と同居。
  • キーパーソン:娘様
  • 症状状態:胃癌、脳梗塞後寝たきり。胃癌の治療希望は無く、嚥下機能の低下もあり、IVH(ポート)管理で退院。
  • 医療サービス:通介護用ベッド、ヘルパー清潔ケア2回/週、訪問入浴1回/週。
  • 医療処置:IVH管理(ポート)、吸引。

「一度は家に帰してあげたい。」

娘様のその一心で、看取りまでの決心はつかないもののIVH管理のもと自宅退院となりました。最初はIVHにも不安がありましたが、連日看護師が訪問し一緒に確認していく中で自信をつけられ、音楽に合わせたリハビリを考案されたり、ベッド゙周囲に季節の物を飾るなど非常に楽しく明るい雰囲気で介護をされていました。病状の進行に伴い、発熱、嘔吐がみられ始め不安の増強もありましたが、胃管留置や服薬管理でご本人の苦痛が軽減するとともに、ご自宅で看取る決心をされ、在宅療養継続となりました。時々ご相談の電話がありましたが、解熱剤や鎮静剤の使用のタイミングを次第に身に付けられ的確なコントロールのもと、眠るように永眠されました。

ご家族は「こんなに穏やかに逝けるとは思わなかった。」「本当に自宅で過ごしてよかったです。と大満足された一例です。

退院後家族指導期

輸液管理の手技確認のため看護師が連日訪問。訪問入浴日は娘さんへポート針の抜去の指導と入浴後のポート針穿刺のため2度訪問。
娘様のお声「点滴がまだ不安ですがだいぶ慣れてきました。」「足が交差してしまうんです。リハビリもしたい。」

輸液管理

状態安定期

訪問看護を週3に固定。点滴の針の自己抜針あり点滴の固定方法を工夫し、ミトンの使用開始。拘縮予防のため訪問リハビリ開始。腫瘍熱が出現し、解熱剤の座薬の使用開始。
娘様のお声「リハビリの先生に教えてもらったことを自分でもやってます。」

輸液管理

状態変化期

腸閉塞による嘔吐が出現し、娘さんの不安が強くなった。ホスピス入所も検討したが、胃管ドレナージで症状緩和し、自宅で看取る決断をする。嘔吐による誤嚥性肺炎あり、抗生剤の点滴を数日実施。浮腫が出始め、点滴を高カロリーから維持点滴へ変更。訪問入浴、リハビリ中止。
娘様のお声「毎日看護師さんに来てもらうと安心です」

輸液管理

看取り期

うなり声あり苦痛緩和のため安定剤を使用開始する。看護師は訪問以外でも電話で状態確認。
娘様のお声「座薬は今使ったほうがいいでしょうか」「最後は苦しまずに逝けて本当によかったです」

輸液管理

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